
皆さんこんにちは!
MSB、更新担当の中西です!
~“一本のラッシングで世界が動く”~
もしあなたが今手にしているコーヒー豆やスニーカー、家具や機械が海外から届いたとしたら、その旅のはじまりには**バンニング(Vanning)**のプロがいます。
コンテナという「動く部屋」に、崩れず・傷まず・ムダなく積む。これが、世界の物流を静かに支えるアート&サイエンスです。
目次
コンテナへの積み付け・固定(ラッシング)・封印までを担う専門業務。
目的は安全確実な輸送(海上・鉄道・トラック)での貨物保全と空間効率の最大化。
貨物の形・強度・重心と、コンテナの強度・床面摩擦・輸送ルートの衝撃を計算と経験で噛み合わせる仕事。⚙️
積付=荷姿 × 重量配分 × 摩擦係数 × 締結力 × 走行条件。
荷姿:段ボール・木箱・スチールケース・機械裸梱包・ドラム缶…
重量配分:床の許容荷重、左右・前後の軸荷重、高重心の可否。
摩擦:滑り止めシート、段ボールの表面、木材・鋼材の組合せ。
締結:ラッシングベルト・ワイヤ・レール&リング・シーラントボード。
走行条件:急制動・横風・波浪。前後0.8G/左右0.5Gを目安に固定力を設計(“もしも”に勝つ)。
現場TIP:「重いものは下・前」「背の高いものは壁寄せ・面合わせ」。そして空隙は“無”に。空間は“動く余地”=事故の余地です。
貨物診断:荷姿、強度、重心、耐圧面を確認
コンテナ選定:20ft/40ft/HC/OT/FR、内寸・扉開口・天井高さを照らし合わせる
レイアウト設計:CADや手書きスケッチで“面”を作る→空隙ゼロ計画
固定設計:ラッシング点数・角度・当て木・緩衝材の組み合わせ
実作業&検証:荷締め→揺すりテスト→写真記録→**封印(シール)**
ラッシングベルト/ラチェット:締付力(LC)を把握し、角度補正を忘れない。
チェーン・ワイヤ・ターンバックル:重量物・鋼材に。
コーナープロテクタ:ベルト切れを防ぐ“名脇役”。
アンチスリップマット:摩擦係数UPで必要ラッシング本数を削減。
パレット・スペーサ・ダンネージ:面合わせ&空隙埋め。
フォークリフト・ハンドリフト:爪の差し込み角度と旋回スペースを確保。
計測・記録:メジャー、テンションゲージ、スマホカメラ。証跡は品質。
課題:40ftコンテナにドラム缶(液体)を120本。波浪下での横ズレ・転倒が怖い。
設計:床全面にアンチスリップ、1層ごとに合板で“床”を増設。前後は木枠で“面”固定。
固定:左右にクロスラッシング+扉側はバーで当て。
結果:長距離海上輸送で転倒ゼロ・漏れゼロ。荷主の在庫計画も安定し、翌年から定期バンニング契約に
Before/After、荷姿ラベルのクローズアップ、固定点の全景、封印番号。
受け渡し後のクレーム防止はもちろん、教育教材にもなる。
撮影のコツ:広角すぎず、人の目線±30cmで水平を意識。ブレ防止に肘固定。
PPE:ヘルメット・手袋・安全靴・反射ベスト。
フォーク作業の声掛け:**“右ヨシ・左ヨシ・後方ヨシ”**を声に出す文化。
腰・肩を守る:重いラッシングは持ち上げず引く。踏み台高さはひざ下に。
熱中症・寒波対策:季節で作業計画を変える。真夏は早朝ロットに切替❄️
再利用ダンネージ(プラダン・合板)を回収スキームで循環。
紙テープ/紙緩衝材の採用。
最適包装提案で容積効率↑→本数減→CO₂↓。
破損ゼロは最大の環境配慮:作り直し・再輸送を生まないのが一番エコ。
フィル率(容積充填率)
ラッシング不備率/再作業率
積付時間(品目別標準)
クレーム率(個数・破損・水濡れ・錆)
CO₂削減効果(満載化による本数削減)
→ 週次1枚ダッシュボードで共有すれば、現場の改善速度が上がる!
バンニングは、静かなプロフェッショナルの仕事。
一本のラッシング、1枚の板、1cmの余白が、貨物の無事とお客さまのビジネスを守ります。
次に輸入品を手にしたら、ちょっとだけコンテナの中を想像してみてください。そこには、見えない職人の技が宿っています