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皆さんこんにちは!
MSB、更新担当の中西です!
~バンニング術~
混載は詰め切れば壊れる/守ればスカスカのジレンマとの戦いです。解決策は“勘”ではなく、ゾーニング(配置)×荷姿変換×固定×環境管理の4点を段取り化すること。本記事は、家具・家電・機械部材・食品・紙製品など異なる特性の混載を安全に詰め切るための、実務手順とテンプレを提供します。
点荷重・角当たり:硬いエッジが柔い箱に刺さる。
滑り・横ズレ:低摩擦材の組合せで加速時に移動。
振動共振:本体・パレット・床の固有振動数が一致して破壊が進む。
結露・匂い移り:温湿差や揮発成分の吸着で品質劣化。
強度不足の段積み:BCT/ECT相当の耐圧不足で潰れ。
対処は**“点を面に、隙を面圧に、負荷を分散”**が原則。
中央(コア):重い・硬い・低摩擦の貨物。
外周:軽量箱で壁を形成し、全体の面圧を上げる。
入口側は崩れにくいブロックで閉じる(ドア開閉時の安全)。
長手方向の空隙は木材ダンネージで埋める。
短手方向・局所空隙はエアバッグ+ハニカムで面圧化。
空隙は一箇所集中を避けて分散する。
パレット化:不定形物や袋物に有効。
カバーリング:角当たり回避、面圧化。
外装強化:コーナーパッド、バンド掛け、シュリンク。
段積み可否は**耐圧(箱/木枠/天板)**で決める。
千鳥積みは荷重分散に有利、ブロック積みは段差が少なく固定しやすい。
中間にスプレッダーボードを入れて面圧を均等化。
軽量・箱主体:ベルト十字掛け+エアバッグ+ハニカム
重量混載:ベルト交差掛け+木材ストッパー(床固定)
長尺物:側壁・床の複数点で拘束し“回転”を封じる
不定形機械:簡易治具を内製し、固定点を“人工的に作る”
仕上げは再テンション。固定後に貨物を揺すり、伸びを取ってから本締め。
食品×金属の混載:匂い移り・防錆に配慮し分離ゾーンを設ける。
紙×高湿航路:乾燥剤増量+ベーパーライナーで吸湿・膨れを防止。
薬剤・溶剤系:密封/吸着材で揮発対策、他貨物との距離を確保。
A:家具+金属部品+紙製品
家具は外周で“壁”、金属は中央にまとめる。紙製品には防湿優先ゾーンを設定。角部にハニカム、金属側は防錆紙で養生。
B:大型家電+小箱多数
家電を中央。周囲の小箱は千鳥積みで面圧を確保し、エアバッグで空隙を消す。入口側はブロック積みで“蓋”。
C:不定形機械
パレット上に簡易治具(2×4材+金具)で固定点を作成。ラチェットベルトを交差させて回転抑止。突出部はコーナーパッド+養生。
データ採取:寸法・重量・外装強度(箱:段数想定、木枠:支柱情報)・表面特性(滑り/硬さ)
ゾーニング:中央=重・硬・低摩擦、外周=軽・面圧用
荷姿変換案:パレット化・カバーリング・外装強化
固定計画:資材の種類・本数・角度・空隙の面圧化
検証:定点写真・揺すり→再テンション・チェックリスト記録
積付け図は混載前に作成したか
重量物は中央に集約・高さも整えているか
軽量箱は外周で壁になっているか
入り口側は崩れにくいブロックで閉じているか
長尺物は回転を抑える固定ができているか
空隙は分散し、エアバッグ・ハニカムで面圧化したか
段積みは耐圧(箱/木枠)を満たす設計か
天板・中間板で荷重を面に広げたか
角当たりはコーナーパッドで保護したか
ベルトやワイヤの交差掛けで横ズレを抑えたか
固定後に再テンションを実施したか
乾燥剤・ベーパーライナーは航路に対して十分か
匂い・薬剤の影響がある貨物を分離したか
金属部材は防錆紙・オイル紙で養生したか
温湿度・傾き・衝撃ロガーを設置したか
定点写真(6カット以上)を撮影したか
コンテナ番号・封印番号・封印時刻を記録したか
書類(積付け図・チェックリスト)を添付したか
ドアクローズ前に最終目視を行ったか
荷受地での開扉手順と撮影指示を共有したか
テンプレ化:積付け図、チェックシート、写真アングル見本を“型”に。
資材標準:ベルト・エアバッグ・木材サイズの“標準表”。
教育:新人はゾーニング模型で原理学習→実貨物でOJT。
フィードバック:荷受地の開梱写真を必ず回収し、原因→対策を更新。
混載の肝は、点を面に、隙を面圧に、負荷を分散。
ゾーニング→荷姿変換→固定→環境管理を段取り化すれば、詰め切りと無損傷は両立します。
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皆さんこんにちは!
MSB、更新担当の中西です!
~品質~
輸送トラブルの多くは、航路やトラック区間の“外で”起きているように見えて、原因はコンテナの中=バンニング品質に潜んでいます。詰め方・固定・防湿・記録の4点を設計できれば、損傷率を下げる/通関・配送の遅延を抑える/TEUあたりコストを圧縮するが同時に進みます。本記事は現場でそのまま使える手順とチェックリストをまとめた“実装ガイド”です。
充填率(容積効率)=実貨物容積÷コンテナ内法容積
損傷率=損傷数量÷出荷数量
TEUあたり原価=(運賃+資材+工数+クレーム費)÷TEU
リードタイム=出荷~引渡しの総時間
ポイント:充填率だけを追うと損傷率が上がりやすい。
充填率70~85%を目安に、固定力・荷姿保護・防湿を同時に最適化するのが現実解。
重い・硬い・低摩擦の貨物は中央(コア)に、軽量物は外周で“壁”を作る。
前後・左右の重量偏りを最小化。パレットの向きは長手を走行方向へ合わせると荷崩れに強い。
空隙は局所的に集中させない。分散配置+エアバッグで面圧を作る。
長手方向の空隙は木材ダンネージやスプレッダーボードでブレーキ。
段積み可否は荷姿の耐圧指標(段ボールならBCT/ECT相当、木枠なら支柱設計)で判断。
角当たりを避けるコーナーパッド/ハニカムボードで面圧に変換。
ベルト&ラチェット:再現性が高く時短。
ワイヤ/チェーン:重量物や局所固定点に。
エアバッグ:空隙充填と面圧付与。
木材ダンネージ:長手方向のストッパー、床・壁への吸収材。
想定加荷方向(前後・左右・上下)を洗い出す
固定点(ラッシングリング、フロア、壁)を選定
固定本数・角度・ルートを決める(交差掛けで横ズレ抑制)
締付け管理(ベルトはラチェット段数/ワイヤはターンバックル位置で見える化)
コツ:固定後は体当たり・揺すりで初期伸び分を吸収→再テンション。
乾燥剤:吸湿量の目安を航路・積載水分で見積もる。台紙貼りで回収漏れを防止。
ベーパーライナー:長距離・高湿航路向け。内張りで結露滴下を遮断。
敷板・スリップシート:床面の残留水分や汚れを隔離。
定点写真:①空荷全景 ②1/3積み ③2/3積み ④満載 ⑤固定・防湿材 ⑥ドア閉直前
データロガー:温湿度・傾き・衝撃の最小セット。異常時は時間軸で原因区間を特定。
ラベル:コンテナ番号/シール番号/封印時刻を写真に写し込む。
課題:重量物パレットと軽量箱の混載で横ズレ・角潰れ発生。
施策:
①中央へ重量物を再配置(外周は軽量箱で“壁”)
②長手空隙にダンネージ追加+ベルト交差掛け
③エアバッグで面圧を作り、角部はコーナーパッド
④乾燥剤増量+定点写真の徹底
結果:3出荷サイクルでクレーム費▲80%、平均LT▲1.2日(再出荷・再手配が減少)
積付け図(レイアウト)はあるか
重量物は中央、軽量物は外周で“壁”になっているか
前後・左右の重量バランスに偏りはないか
長手・短手の空隙は許容範囲か(集中していないか)
固定資材の種類・本数・角度は妥当か
コーナー保護・面圧化はできているか
乾燥剤・ベーパーライナー等、防湿は十分か
写真ログは6カット以上撮ったか
ラベル(コンテナ番号・封印番号・時刻)は写真に写っているか
ドアクローズ後、外観と封印を再確認したか
積付け図確認 → 資材準備(ベルト・木材・エアバッグ・乾燥剤)
床面清掃 → ライナー・敷板
重量物から積付け → 外周に軽量物
固定&再テンション → 角部保護
乾燥剤設置 → 定点写真6カット
封印・記録 → 出荷書類添付
バンニングは“現場の勘”でなく設計と再現性で勝てます。
充填率は**70~85%**を狙い、固定・面圧・防湿をセットで設計。
写真とログで原因を追える化すれば、クレームコストもLTも下がります。
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