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月別アーカイブ: 2025年4月

MSBのよもやま話~注意点~

こんにちは!MSB更新担当の中西です!

 

MSBのよもやま話~注意点~

ということで、車両のバンニングにおける具体的な注意点と事前確認事項、積載テクニック、安全対策を深く解説します

 

積み込みから輸送まで、車の価値を守る“プロの段取り”

世界中で日本車の人気は高く、年間数十万台以上の車両が海上コンテナを使って輸出されています。
この際に必要となるのが、コンテナへの車両積載作業=車のバンニング(Vehicle Vanning)です。

しかし、車は精密機械であり重量物。バンニング作業中に傷、破損、転倒、液漏れ、通関違反が発生すると、輸出先でのクレームや損失につながります。


🚗 車両バンニングとは何か?基本の理解

◯ 車両バンニングとは

海上コンテナ(主に20ft・40ft)に、自動車を直接積み込む作業のこと
一般貨物と異なり、車輪がある・重量が偏る・内部に液体があるなどの特殊性があり、事前準備や固定方法に専門技術が求められます。


✅ バンニング前の事前確認事項(基本情報の把握)

1. 積載車両の仕様確認

  • 車種(乗用車/トラック/バン/建機など)

  • 車両サイズ(全長×全幅×全高)

  • 重量(GVW)と重心位置

  • 改造箇所・突出部・エアロパーツの有無

📌 特に車高が高い車は、コンテナ内高さ制限(40ftで約2.65m)に注意。

2. コンテナのタイプと内寸確認

  • 20ft / 40ft / 40ftHC(ハイキューブ)

  • コンテナ内寸、扉開口寸法、高さ制限

  • フラットラックを使用する特殊事例も

3. 搬入・積載環境の確認

  • コンテナランプ(スロープ)の有無・角度

  • フォークリフト or 自走式での積載?

  • 周囲の作業スペース、光量、安全動線


🛠 実際の積載作業での注意点(技術・安全・品質)

✅ 1. 車両の固定方法とポイント

固定部位 方法
タイヤ ラッシングベルト+ホイールチョーク(輪止め)
シャーシ(車体下部) ワイヤー、ラチェット式バンド固定
サスペンション付近 負荷がかからないようゴムパッド使用

📌 固定不良による転倒事故や車体の移動は最も多いクレーム原因です。

✅ 2. 液体・バッテリー・燃料系の注意

  • 燃料は原則10%以下に減らす(船会社・国によって規定あり)

  • バッテリーの端子は外す or 絶縁処理

  • エアコン冷媒・オイル類の漏れがないか点検

📌 IMDGコードに基づく危険物分類で、違反があると出港不可やペナルティの対象に。

✅ 3. 輸送中の車体保護対策

  • 車体カバー(フェンダーカバー/布製シート)の使用

  • ミラー・ワイパー・アンテナ類の取り外し or 緩衝材巻き

  • 床との接触箇所にはゴムパッドや木板で保護


📋 書類・通関・検査対応の注意点

✅ 1. 積載記録の徹底

  • 車両のVIN番号、カラー、写真撮影

  • 外観の傷・汚れの事前チェックリスト

  • 積載後のコンテナシール番号の記録

✅ 2. 輸出通関との整合性

  • インボイス・パッキングリストとの一致確認

  • 車検証や抹消登録書類の提出

  • 一部国ではFumigation証明(燻蒸)や消毒処理が求められる

📌 書類と現物に不一致があると、税関でストップがかかり出港できないことも。


⚠ よくある失敗・トラブル事例とその対策

トラブル 原因 防止策
車両がコンテナに入らない 寸法確認不足 事前にシミュレーション・寸法測定
固定バンドが緩む・外れる 荷重分散不良/取付不足 専用バンド+ダブルチェック
移動中に車体が破損 緩衝材不足・振動 各所をクッション材で保護
書類と実物が不一致 手配ミス・VIN番号誤記 バンニング時に写真+チェックリスト活用

✅ 車両のバンニングは「細部こそ命」

自動車は高額かつ複雑な精密製品です。
そして、バンニング時のわずかな不注意が、数十万円〜数百万円の損害につながることも珍しくありません。

だからこそ、車両のバンニングには「確認・記録・保護・安全」すべてを兼ね備えた精密な段取りと現場力が求められます。


🔍 バンニング前のチェックリスト(車両輸出用)

カテゴリ 確認項目
車両情報 車種・サイズ・重量・特殊部品の有無
コンテナ サイズ・高さ・床状態・通気口の確認
固定資材 ラッシングバンド、チョーク、緩衝材
安全対応 傷確認、端子処理、燃料量、作業動線
書類対応 インボイス、VIN番号、写真記録、シール番号

 

 

MSBのよもやま話~確認事項~

こんにちは!MSB更新担当の中西です!

 

MSBのよもやま話~確認事項~

ということで、バンニング作業を行う前に必ず確認しておくべき事項を、現場・管理・品質・法令の各視点から体系的に掘り下げてご紹介!

 

輸出の成否を左右する“積む前”の準備がすべて

海上コンテナへの貨物積載それが「バンニング(vanning)」です。
一見すると「ただ荷物を詰める作業」に見えるかもしれませんが、実際は国際物流の品質・コスト・納期すべてを左右する極めて重要なプロセスです。

そして、バンニングの成否は“積む前の確認”でほぼ決まると言っても過言ではありません。


📦 バンニングとは何か?その重要性を再確認

◯ 定義:

バンニング(Vanning) とは、貨物を海上コンテナの内部に積載する作業のこと。
その逆(荷降ろし)は「デバンニング(Devanning)」と呼ばれます。

◯ バンニングの目的

  • 輸送中の貨物損傷を防ぐ

  • スペースを最大限に活用する(積載効率の向上)

  • 船会社や通関業者の規定を満たす

  • 輸出書類と現物の完全一致を確保

📌 荷物がずれたり破損した場合は、国際クレームや納入拒否につながることも。


✅ バンニング前に必ず確認すべき「基本情報」

1. コンテナのタイプ・サイズの確認

種類 サイズ 用途
ドライコンテナ(Dry) 20ft / 40ft 一般貨物
リーファーコンテナ(Reefer) 冷蔵・冷凍貨物
オープントップ / フラットラック 重機・長尺物など

📌 コンテナ内寸・扉寸法・耐荷重は必ず事前に確認し、貨物との適合性をチェック。

2. 積載する貨物の仕様確認

  • 外寸(長さ・幅・高さ)、重量、形状、個数

  • 梱包形態(パレット/カートン/バラ/ドラム缶など)

  • 荷重の集中・偏りの有無

3. 積載順序と積み付け計画

  • 納品先ごとの出荷順

  • 重いものを下に、軽いものを上に積む

  • 隙間をどう埋めるか(スペーサー・バンド・緩衝材)

📌 CADや専用のバンニングプランニングソフトで3Dシミュレーションするケースも増えています。


🛠 現場の事前準備 ― 安全かつ効率的な作業のために

✅ コンテナの事前点検(Check Sheet活用)

  • 床の損傷・オイル染み・釘の飛び出し

  • 壁・天井の穴や亀裂(漏水の原因)

  • 番号の照合(間違ったコンテナに積むミス防止)

✅ 使用機材・作業人員の確認

  • フォークリフトのサイズ・荷重対応

  • コンテナラッシング材(ロープ、バンド、滑り止め)

  • 人員配置(荷役・誘導・記録撮影係など)

✅ 安全対策

  • 酸欠・CO₂の可能性があるため、内部換気の実施

  • 転倒・滑落防止のための安全帯・ヘルメット着用

  • 積載中の荷崩れによる挟まれ事故の注意

📌 労働安全衛生法に基づくリスクアセスメント・KY活動(危険予知)は欠かせません。


📑 書類と通関関連の事前確認

✅ 積荷明細(パッキングリスト/インボイス)との照合

  • 品名、型番、数量、重量、輸出仕様と完全一致しているか?

  • 危険物・温度管理品はIMDGコードやHSコード記載が必要

✅ シール番号と封印

  • バンニング完了後、船社指定の封印(シール)を取り付け

  • シール番号は輸出書類と厳密に一致している必要あり

📌 輸出国によっては、写真記録や積載証明書(Stuffing Certificate)が必要な場合もあります。


🔄 積載品質・輸送中のリスク管理の視点

✅ 荷崩れ・破損の防止策

  • 緩衝材(エアバッグ、ストレッチフィルム、ダンネージ材)の使用

  • 木材固定(バリヤー)、金属製ラッシングでの固定

  • 特に重量物やドラム缶は強固な滑り止めと固定が必須

✅ 湿気・温度対策

  • 結露防止のための乾燥剤(シリカゲル)

  • リーファーコンテナの温度設定・事前冷却

  • 木材梱包品は燻蒸処理(ISPM No.15)が必要な場合も


✅ バンニングは「積む」作業ではなく、「守る」工程

バンニングとは単なる積み込みではなく、
“貨物の価値と取引信頼を守るための輸送準備”であり、輸出入ビジネスの品質保証そのものです。

その成功のカギは、現場力ではなく、「準備力」と「確認力」にあります。


📋 事前確認チェックリスト

項目 確認内容
コンテナ サイズ・種類・損傷・番号
貨物 数量・寸法・重量・形状
作業計画 積載順・人員・資材・機材配置
書類 パッキングリスト・シール番号・写真記録
安全 酸欠対策・KY活動・PPE(保護具)確認

 

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