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月別アーカイブ: 2025年11月

MSBのよもやま話~“積み方”~

皆さんこんにちは!

MSB、更新担当の中西です!

 

~“積み方”~

 

 

前回は、バンニング業の現場のリアルについてお話しました。

今回は視点を少し変えて、
**「荷主さま・物流担当者さまの立場から見た、バンニング業との上手な付き合い方」**をテーマにお届けします📦✨

  • 海外向けの出荷が増えてきた会社さま

  • これからコンテナ輸送にチャレンジしたいメーカーさま

  • 荷崩れ・破損・クレームで悩んでいる物流担当の方

そんな皆さまに、
現場で培った“ちょっとしたコツ”をお伝えできればと思います😊


1. 「とりあえずギュウギュウに詰める」は一番コスパが悪い!?💸

輸出コストの中でも、コンテナ一本あたりの海上運賃は決して安くありません。
だからこそ、こんな発想になりがちです👇

「せっかく一本のコンテナを借りるなら、
できるだけパンパンに詰めて単価を下げたい!」

気持ちはとても分かります…!😅
しかし、“ギュウギュウに詰めれば詰めるほど得”とは限りません。

なぜなら、

  • 荷崩れによる破損

  • 中身の変形・箱つぶれ

  • 積みすぎによる作業ミスや事故リスク

といった“見えないコスト”が増えてしまうからです⚠️

📌 ありがちな失敗ケース

  • 荷物を高さギリギリまで積み上げて、コンテナ天井と干渉

  • パレットを詰め込みすぎて、フォークリフトが中に入るスペースが足りず、手作業が増えて作業時間アップ⏱️

  • 無理な積み方で、降ろす側(輸入先の現地倉庫)が苦労してクレーム😢

「積載効率」と「トータルコスト」は別物だということを、まず意識していただけるとよいかなと思います。


2. バンニング業者に“伝えてほしい情報”🗣️

バンニングの品質は、
「どれだけ事前情報を共有してもらえるか」で大きく変わります。

私たちが荷主さまにぜひ教えていただきたい情報は、例えばこんな内容です👇

✅ 荷物そのものの情報

  • 何が入っているのか(割れ物・液体・精密機器など)

  • 梱包の強度(何段まで積める設計か、箱の耐荷重)

  • 荷物の重心(下が重いのか、バランスはどうか)

  • 水濡れ・湿気への弱さ

✅ 輸送条件の情報

  • 船会社・航路・航海日数

  • 積み替え(トランシップ)の有無

  • 冷蔵・冷凍が必要かどうか

✅ 荷受け側の事情

  • 荷おろし側でフォークリフトが使えるか

  • 手降ろしなのか、パレットごと降ろせるのか

  • 倉庫の天井高さ・設備(ドックレベラーなど)

  • 作業可能な時間帯

こうした情報を共有していただけると、
バンニング側としても👇

  • 「あえてスペースを残した方がいいコンテナ」

  • 「できるだけ段差を減らした方が良い積み方」

  • 「荷受け側での手間を減らすレイアウト」

などを意識して設計できるようになります✨


3. “いいバンニング”はクレームを減らし、信頼を増やす📈

海外との取引では、距離も言葉も離れています。
だからこそ、一度のトラブルが信用に大きなキズを残すことも珍しくありません。

  • ダンボールがつぶれていた

  • 箱の角が破れて中身が見えてしまっていた

  • パレットが破損して荷物が崩れていた

こうしたトラブルが続くと、

「梱包が弱いのでは?」
「サプライヤーの品質管理が甘いのでは?」

という印象を持たれてしまいがちです😢

しかし、実際には

  • 梱包は問題なかった

  • 積み方・固定の仕方に課題があった

というケースも少なくありません。

“いいバンニング”は、「梱包品質」を最大限に活かしてくれる存在です💪

  • 箱の強度を理解したうえでの段積み

  • 必要な箇所へのだけラッシング・バンド掛け

  • 無理な積載を避けて、“安全なギリギリライン”を攻める

こうした積み方ができると、
トラブルは着実に減り、結果的に

  • 海外のお客様からの「安心感」

  • 自社ブランド・製品への「信頼感」

も積み上がっていきます📊✨


4. 荷主側でできる「バンニング前のひと工夫」🧠

バンニングの品質を上げるために、
荷主さま側でできる工夫もたくさんあります。

① 梱包設計の段階で「コンテナ輸送」を意識する📦

  • 輸出専用の強めのダンボールを採用する

  • 角当て・滑り止めシートを標準化する

  • “この箱は何段まで積める”という基準を社内で共有

② ラベル表示を分かりやすくする🏷️

  • 上下の向きを矢印で明示(天地無用)

  • 重量表示を大きく記載(目安でOKでもあると助かる)

  • 「横積み禁止」「積み重ね禁止」などの注意書き

③ 積載パターンの情報を共有する🧩

  • 1パレットあたりの箱数・並べ方

  • 同じ品番をまとめるのか、混載するのか

  • ロット管理の方法(先入れ先出しなど)

これらがしっかりしている会社さまは、
やはりバンニング作業もスムーズで、トラブルも少ない傾向があります😊


5. バンニング業と一緒に作る「最適コンテナプラン」📐

最近、私たちのようなバンニング業者に
**「積み付けプランの相談」**をされる荷主さまも増えてきました。

  • CADのようなソフトで簡易レイアウトを作る

  • パレット寸法・箱寸法から積載パターンをシミュレーションする

  • 実際のコンテナで“試し積み”をして写真付きマニュアルを作る

こうして一度“理想の積み方”が決まると、

  • 現場が変わっても再現性が高い

  • 新人作業員にも教えやすい

  • 荷主・物流会社・バンニング業者の共通言語になる

というメリットがあります✨

「コンテナ一本の積み方設計」=小さなプロジェクトとして、
一緒に取り組むイメージですね🤝


6. バンニング業界のこれからと、人材のやりがい💼

少し視点を変えて、
バンニング業そのものの未来や、働く人のやりがいについても触れてみます。

🌏 国際物流に欠かせない“縁の下の力持ち”

世界中のモノがコンテナで動いている今、
バンニング業は、

「日本から世界へモノが飛び立つ最後の砦」

とも言えます。

  • MADE IN JAPANの品質を守る

  • 荷主の信用を守る

  • 海の上での安全を守る

そんな、大事な役割を担っています💪

👷‍♂️ やりがい:目に見える成果と、技術の蓄積

  • コンテナ一本をきれいに詰め終わった瞬間の達成感✨

  • 「前回より早く・きれいに・安全に詰められた」という自分の成長

  • 荷主さまからの「前回のコンテナ、クレームゼロでした!」という声

決して派手な仕事ではありませんが、
積み上げた技術と工夫が、そのまま結果に表れる仕事です。


7. まとめ:バンニングを“ただの積み込み”から“戦略の一部”へ🚀

  • コンテナのバンニングは、「詰めればいい」から「設計して積む」時代へ。

  • 荷主さまが情報共有をしてくださるほど、
    バンニング側も「安全・効率・コスト」を高いレベルで両立できます。

  • 良いバンニングは、
    クレーム減少・信頼向上・総コスト削減という“見えない利益”を生み出します📈

私たちは、

「コンテナ一本を、どう戦略的に使うか?」

という視点で、
荷主さま・物流会社さまと一緒に考えながら、
毎日のバンニング現場に向き合っています😊

  • 海外出荷のコンテナ積みでお困りのこと

  • 荷崩れ・破損の改善相談

  • 新しい製品の輸出に向けた積み付けプランづくり

など、どんな小さなことでも大歓迎です✨

一本のコンテナから、物流のストレスを少しでも減らせるように。
今日もフォークリフトのキーを回しながら、
次の一本のコンテナにベストな答えを探し続けています📦🚛🌈

MSBのよもやま話~“コンテナ一本”~

皆さんこんにちは!

MSB、更新担当の中西です!

 

~“コンテナ一本”~

 

港や倉庫で、フォークリフトがコンテナに荷物をどんどん積み込んでいく光景を、テレビやYouTubeで見たことがある方も多いかもしれません。

でも、多くの人のイメージはこんな感じではないでしょうか?

  • 「コンテナに荷物をどんどん詰めていくだけの仕事でしょ?」

  • 「フォークリフトで入れて、扉を閉めれば終わりなんじゃないの?」

  • 「単純作業っぽいけど、違いなんてあるの?」

実はそのイメージ、半分正解で半分まちがいです。
コンテナに荷物を入れる、という意味ではたしかにその通り。
でも、私たちバンニング業から見ると、一本のコンテナには“たくさんの責任と工夫”が詰まっているんです

今回は、そんなバンニング業の現場のリアルと、
「ただ詰めるだけじゃない」職人としてのこだわりを、できるだけ分かりやすくお話してみたいと思います


1. そもそも「バンニング」とは?

バンニング(Vanning)とは、
コンテナの中に貨物を積み込む作業のことを指します。

輸出入物流では、

  • 20フィートコンテナ

  • 40フィートコンテナ

  • 冷凍・冷蔵コンテナ(リーファー)
    など、さまざまなコンテナが使われていますが、
    そこに「どんな順番で」「どんな固定方法で」「どれくらいの量を」入れるのかを考え、実際に積み込むのが私たちの仕事です

一見シンプルに見えますが、実はこんな要素を同時に考えます

  • 荷物の重さ・形・強度

  • コンテナの耐荷重・床の強度

  • 海上輸送中の揺れ・衝撃

  • 荷崩れ防止の固定・ラッシング方法

  • 荷受け側の「降ろしやすさ」

つまり、「テトリス+安全設計+現場の段取り」を一気にやる仕事なんです✨


2. バンニングは“積み方”次第で結果が変わる仕事⚖️

バンニングで一番大事なのは、ズバリ積み方の設計力です。

同じコンテナ、同じ荷物でも、

  • 積み方が悪いと → 荷崩れ・破損・最悪の場合はコンテナ事故

  • 積み方が良いと → 安全でムダなく積めて、コストも時間も削減✨

というくらい、結果に差が出ます。

✅ たとえば、こんなパターン

  • 重たいパレットを入り口側にだけ積んでしまう
    → 重心が偏り、トレーラー走行中に危険になることも

  • ダンボールを何段も積み上げて、途中に隙間が多い
    → 海上輸送の揺れで箱がつぶれ、商品が破損

  • 長尺物(パイプ・木材など)の固定が甘い
    → ブレーキや揺れで前後に動き、他の貨物を巻き込んで損傷

バンニングのプロは、コンテナの前で一度立ち止まり、
**「この荷物たちを、どう配置すれば安全で効率的か」**を頭の中で組み立ててから動きます


3. ある一日のバンニング現場の流れ⏰

現場のイメージが湧きやすいように、
とある日のスケジュールをざっくりご紹介します

① 朝イチ:本日の案件確認&荷物チェック

  • 何本のコンテナを、何時のトラックに載せるのか

  • 荷物の種類(ダンボール・パレット・鉄製品・木箱など)

  • 行き先の国や港(揺れ方・温度・荷役環境もイメージ)

を確認します。

そのあと、現物の貨物を見ながら

  • ラベルや表示の確認(天地無用・横積み厳禁・重量表示など)

  • 箱の強度・中身のイメージ

  • パレットの状態(割れ・ガタつきがないか)

ここでのチェックが甘いと、後のトラブルにつながるのでかなり慎重です

② 午前:1本目・2本目のコンテナバンニング開始

コンテナがシャーシに載せられて倉庫前に着いたら、いよいよ作業開始。

  • まずは貨物をコンテナの近くまで集める

  • 積み込み順に並べなおす(奥から入れる荷物を手前に置いておく)

  • フォークリフトと手作業を組み合わせて、奥から順に積んでいく

このとき、
**「高さ」「左右の重さ」「前後のバランス」「荷崩れリスク」**を常に意識します。

コンテナの中で

  • 均等に荷重がかかっているか

  • 柱や壁に一点だけ荷重が集中していないか

など、目だけでなく体の感覚も頼りにしながら詰めていきます

③ お昼:次の案件の段取りタイム

昼休憩の合間に、午後のコンテナの内容を確認。

  • どの順番で積めば効率的か

  • どのラッシング資材をどれくらい使うか

  • 時間に余裕がない場合、先に準備しておくことはないか

など、段取り力が問われる時間帯です。

④ 午後:ラストスパート&最終チェック✅

午後も次々コンテナが入ってきます。
1本め・2本めと比べて、作業員の疲れも出てくる時間帯ですが、
最後の1本まで品質を落とさないことがプロの仕事です。

バンニング終了後は、

  • 荷崩れ防止用のラッシング・ストラップ・木材の固定状況

  • 天井とのクリアランス

  • ドア側の荷物の状態

をしっかり目視確認し、写真にも残します

最後にドアを閉め、封印(シール)を付けたら、そのコンテナの“海の旅”がスタートです✨


4. バンニング現場で大切にしている「3つの安全」

バンニング業では、常に「安全」という言葉がつきまといます。
私たちが意識しているのは、次の3つの安全です

① 作業する人の安全

  • フォークリフトと人の動線を分ける

  • コンテナ内での転倒・落下防止

  • 荷物の倒れ込みによる挟まれ事故防止

暑い日・寒い日・雨の日も関係なく作業が続くので、
ヘルメット・安全靴・反射ベストなどの着用はもちろん、
声かけや指差し確認も徹底します‍♂️‍♀️

② 荷物の安全

  • 荷崩れしないように、ラッシングや突っ張り棒を使う

  • 箱の強度に応じた積み上げ段数にする

  • 水濡れ厳禁の荷物は、床から少し浮かせてパレットに載せる

「無事に届いて当たり前」の裏側で、
たくさんの“当たり前じゃない工夫”が隠れています✨

③ 走行・海上輸送時の安全

  • トレーラー走行時に偏荷重になっていないか

  • ブレーキ時・カーブで荷物が動かないか

  • 海上輸送中の揺れを想定した積み方になっているか

ここは、バンニング業者の経験と知識の見せどころ。
「輸送中の最悪のシナリオ」を想像し、それを潰す積み方を常に考えています


5. 「いいバンニング会社」を選ぶポイント

荷主さま・物流会社さまからすると、

「バンニングって、どの会社に頼んでも同じでしょ?」

と思われがちですが、実は差が出やすい部分です。
選ぶポイントをいくつか挙げてみます

  • ✅ 積み込みプランを“考えている”か
    → ただ指示通りに積むだけなのか、自社でレイアウトを組んでくれるのか

  • ✅ 荷姿や固定方法について、きちんと提案・相談に乗ってくれるか
    → 「この包装のままではリスクがあります」と言えるか

  • ✅ 荷崩れや破損のトラブルが起きた時、原因を一緒に考えてくれるか
    → 責任の押し付け合いではなく、改善案まで出してくれるか

  • ✅ 作業記録(写真・バンニングレポート)を残してくれるか
    → 荷主・荷受け側の安心材料になります


6. まとめ:一本のコンテナには、“人の技術と責任”が詰まっている✨

  • バンニング業は「コンテナに荷物を詰める」だけの仕事ではなく、
    安全・品質・コスト・輸送効率を同時に考える現場仕事です。

  • 一本のコンテナには、
    荷主さまの想い・荷受け側の期待・運ぶ人の責任が詰まっています。

  • 私たちバンニングのプロは、
    「何事もなく無事に届いた」という“当たり前”をつくるために、
    毎日、汗をかきながらコンテナの中で工夫を積み重ねています

次にもし、港や倉庫の近くでコンテナバンニング作業を見かけたら、
「ただ積んでいるだけ」ではなく、
**“一本のコンテナに頭と体をフル回転させている現場”**なんだと、少しだけ思い出してもらえたら嬉しいです

 

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