
こんにちは!MSB更新担当の中西です!
MSBのよもやま話~海外との違い~
ということで、バンニング工事に関する日本と海外の規格の主な違いについて解説します。
バンニング(Vanning)は、貨物をコンテナに効率的かつ安全に積み込む作業です。グローバル物流が進展する中で、日本国内の規格と海外の規格(特に米国・EUなど)との違いを正しく理解することが、トラブル回避と円滑な輸送につながります。
目次
区分 | 日本 | 海外(主に米国・EU) |
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規格の主体 | 日本産業規格(JIS)、運輸支局、港湾局 | ISO、ASTM(米)、EN(EU) |
法的基盤 | 港則法、労働安全衛生法、通関関連法規 | 米国:FMCSA、OSHA、海運条約 EU:ADR指令、EN規格 |
管理責任者 | バンニング業者、荷主、運送業者 | Shipper(荷主)の責任がより明確 |
JIS Z 0200(包装仕様)、JIS B 8821(荷役機械の安全規格)などを参照。
コンテナ内積載図(Vanning Plan)の提出義務は輸出時に限定的。
固定方法は現場裁量が大きく、ラッシングベルトの使い方も様々。
米国ではCTPAT(Customs-Trade Partnership Against Terrorism)に基づき、コンテナの密封方法・写真記録が義務。
EUではEN 12195(貨物固定規格)があり、固定具や積載方法を詳細に規定。
「積載重心・摩擦係数・固定力」など物理特性に基づいた積載設計が標準化。
要素 | 日本 | 海外 |
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安全基準 | 労働安全衛生規則、港湾荷役作業指針 | OSHA規格(米)、EU運送指令(EN12195) |
品質管理 | 品質管理マニュアル(自主的)、ISO 9001取得が推奨 | ISO 28000(サプライチェーン安全)、CTPATなど |
積載文書 | 通関書類+輸送指示書 | Packing Listに加え、Cargo Securing Manualなどの詳細図が必要 |
日本:必要に応じて提出。CADでの作図が多いが簡略化も多い。
海外:契約書に基づく設計図の提出義務あり。エンジニアリングサポートを伴うケースも。
多国籍輸送では最も厳しい規格を優先:例えば、日本からEUへ輸出する場合、EUの積載固定基準に合わせた設計・記録が必要。
ラッシング試験証明書や摩擦試験データが求められる場合もあり、事前準備が必須。
コンテナ重量制限(VGM)の遵守も世界的に重要。
日本と海外では、バンニング作業の規格や安全基準、文書管理に明確な違いがあります。これらを正しく理解し、実務に反映させることで、安全かつトラブルのない国際物流が実現できます。国際的な業務拡大を視野に入れている企業は、こうした規格の違いに早期から対応することが成功の鍵となります。